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★短歌なページ★

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落葉松

「落葉松」の作者は、北原白秋でした。

 
「落葉松」


からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。


からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。


からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。


からまつの林の道は、
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。


からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。


からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。


からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。


世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。


北原白秋(明治18年1885年1月25日 - 昭和17年1942年11月2日)
北原白秋は「落葉松」を57年の人生の中で36年目(大正10年)に作られたそうです。


「落葉松の樹」の作者は、島崎藤村です。

 
「落葉松の樹」

落葉松の樹はありとても
石楠花(しゃくなげ)の花さくとても
故郷遠き草枕
思はなにか慰まむ
旅寝は胸も病むばかり
沈む憂は酔ふがごと
独りぬる夜の夢にのみ
ただ夢にのみ山路をくだる


島崎藤村(1872年3月25日(明治5年2月17日)- 1943年(昭和18年)8月22日)
藤村は71年の人生の中で25才(初出1897年若菜集)か24才(明治29年10月「文学界」発表)の時に作られた「初恋」が有名ですよね。。。



「初恋」

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

by n0n1n | 2011-02-07 22:00